ビタミンDって何?私たちの体にどう役立つの?

皆さんはビタミンDというビタミンをご存じでしょうか?
実はビタミンDは体の中において沢山の役割を持っており、皆さんの健康を様々な角度からサポートしています。
最近話題となっている「腸活」や「腸内環境」といった部分でも大いに活躍しています。


今回のコラムではそんなビタミンDの効果や効能についてご紹介していきます。
ビタミンDでワンランク上の生活を目指しましょう!

ビタミンDの働き

ビタミンは大きく分けると、水溶性ビタミン・脂溶性ビタミンと2種類に分類されます。
名前の通り、水溶性ビタミンは水に溶けやすい性質を持ち、脂溶性ビタミンは油に溶けやすい性質を持ちます。ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種で、カルシウムやリンといったミネラルの代謝に不可欠な役割を果たします。これにより、骨の健康維持をサポートしたり、骨粗鬆症や骨軟化症といった疾病のリスクを低減したりします。
ビタミンDは主に2つの形態があり、それは食事から摂取されるビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と、太陽光を浴びることで皮膚で生成されるビタミンD3(コレカルシフェロール)です。
つまり、主に皆さんは、太陽の光を浴びる、ビタミンDを含む食材を食べる、といった2種類の方法でビタミンDを摂取しています。

最近の研究では、ビタミンDが免疫系の調整や炎症の軽減、さらにはがんや心血管疾患のリスク低下にも関係していることがわかっています【1】【2】。2020年に発表されたレビューでは、ビタミンDが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスクを低減させる可能性も指摘されています【3】。
このように、コロナの関係からも世界的に注目されるビタミンとなったのがビタミンDになります。
ビタミンDはその多様な役割から、体の様々な働きを調節する「ホルモン」としての側面も持つとされていて、体全体に影響を及ぼす重要な栄養素として注目されています。

太陽の光を浴びることで体の中で作られるビタミン

前述のとおり、ビタミンDは「太陽のビタミン」としても知られ、日光を浴びることで生成されます。特に紫外線B(UVB)が皮膚に当たると、皮膚に存在する脂質の一種であるコレステロールがビタミンD3に変換され、さらにそれが肝臓と腎臓で活性化されます【2】。
ビタミンDは、このように活性化することによって体内で様々な役割を果たしてくれます。

太陽の光を浴びることによって得られるビタミンDの合成量は、季節や地理的な条件、日光への暴露時間(日光を浴びている時間)、肌の色などによって変わってきます。
例えば、冬場や緯度が高い地域では紫外線の強度が低下するため、ビタミンDの生成は減少します。
また、日焼け止めの使用や過度の衣類着用も合成を妨げる要因になります【1】【3】。
そのため、日焼け止めを使用している人や冬に日照時間が減ったときこそ、食事でしっかり補うことが大切なのです。

日光浴を通じてビタミンDを生成することが困難な場合は、食事やサプリメントからの摂取が推奨されることもありますが、最近の研究では、適度な日光浴が心筋梗塞などの心血管疾患やバセドウ病やリウマチなどの自己免疫疾患のリスクを低下する可能性も報告されています【3】。
食事を意識するだけでなく、外に出て日光を浴びることもビタミンDを摂取したり、健康
的な生活を送る上で大切になってくるのが分かりますね。

体のどんな部分で働くのか、基本的な役割を解説

ビタミンDは体内でさまざまな機能を持っていますが、最もよく知られているのがカルシウムの吸収を助ける役割です。これにより、骨や歯を強化し、骨密度を保つことで骨折のリスクを低減します【2】。また、ビタミンDは筋肉機能の維持にも不可欠で、不足すると筋力低下や転倒リスクが増加してしまいます【1】。さらには、免疫系にも重要な役割を果たし、感染症に対する防御機能を高めると同時に、過剰な免疫反応を抑制することで自己免疫疾患のリスクも低減します【3】。

最近の研究では、ビタミンDの不足が心血管疾患、糖尿病、がん、うつ病などの精神疾患のリスク要因になる可能性が示されています【2】【3】。特に、高齢者においては、ビタミンDの適切な摂取が認知機能や精神的な健康にも寄与することが報告されています【1】【2】。

いかがでしたでしょうか?

ビタミンDは体内で多くの役割を担っています。
お子様から高齢者の方まで必要な栄養素ですので、ビタミンDが豊富に含まれた食事を摂取することや、毎日外で日光を浴びることを意識して生活できると良いですね。
すでに皆さんの健康は、皆さんの知らないところでビタミンDに守られているかもしれません。
もっとビタミンDについて深く知ることで、生活をより豊かにしていきましょう!

参考文献

  1. Forrest KY, Stuhldreher WL. Prevalence and correlates of vitamin D deficiency in US
    adults. *Nutr Res*. 2011;31(1):48-54.
  2. Martineau AR, et al. Vitamin D supplementation to prevent acute respiratory infections:
    individual participant data meta-analysis. *BMJ*. 2017;356:i6583.
  3. Grant WB, et al. Evidence that vitamin D supplementation could reduce risk of influenza
    and COVID-19 infections and deaths. *Nutrients*. 2020;12(4):988.

メディア運営

この記事をシェア