カルシウムの吸収促進
骨の成長促進
免疫機能の調整など
重要な役割のある
栄養素です。
近年、ビタミンDの研究が進み、以前は「骨を強くするビタミン」だけだと考えられていたビタミンDが
免疫機能の調節や感染症予防、筋肉づくり、皮膚、メンタル、がんや死亡率の低下など
様々な健康効果があることがわかり、注目を集めています。
ビタミンDを活用して、
健康的な毎日のために
ぜひ役立てていきましょう。
ビタミンDを多く含む食品
ビタミンDは、魚類やキノコ類に豊富に含まれています。野菜や海藻などには含まれておらず、日本人は魚類からの摂取量が多くを占めています。また、キノコ類では、紫外線照射したキノコや天日干ししたキノコにビタミンDが豊富に含まれています。
ビタミンDの特徴と働き
ビタミンDは脂溶性ビタミンの1種で、近年の研究で様々な健康効果があることが分かっています。カルシウムの吸収促進、骨の成長促進、血中カルシウム濃度を調節する重要な役割のある栄養素で、健康な骨を維持するために欠かせない栄養素です。
さらに、近年わかってきた注目の効果は、免疫機能の向上。
ビタミンDには、免疫機能を調整する働きがあります。殺菌作用を発揮する抗菌ペプチドを作る働きをし、体内に侵入したウイルスや細菌などに対して必要な免疫機能を促進します。このため風邪やインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症や悪化の予防にも関与することがわかってきています。
ビタミンDの主な働き
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カルシウムの吸収促進、骨の成長促進
人間の土台としても大切な骨を強くするためにも必須のビタミン
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免疫機能の調整
インフルエンザや風邪症状の予防などにもおすすめ
-
筋肉や心血管系にも関係
転倒リスクの予防や心臓の健康にも大切
摂取量の目安
これまで、1日の摂取目安量:30歳~49歳 男性・女性ともに 8.5μgでしたが、
2025年度からは、さらに摂取目安量がアップ!
1日の摂取目安量:30歳~49歳 男性・女性ともに 9.0μg
- ※1 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より
- ※2 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より
ビタミンDの
食事摂取基準(µg/日)
- ※1 日照により皮膚でビタミンDが産生されることを踏まえ、フレイル予防を図る者はもとより、全年齢区分を通じて、日常生活において可能な範囲内での適度な日光浴を心掛けるとともに、ビタミンDの摂取については、日照時間を考慮に入れることが重要である。
- ※ 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
摂取のポイント
ビタミンDを補う方法は、食事から補うことと日光に当たること。日焼けしない程度の時間、日光に当たることで、紫外線を浴びるとビタミンDが生成されるのです。
現代の日本人は紫外線を避ける傾向が強く、過剰なUV対策や夜型生活など、ライフスタイルや食生活の変化によって、ビタミンDの不足傾向が指摘されています。特に、日焼け対策をしている女性や日照時間が減少する冬場には意識して摂取することが大切です。
摂取の注意点
食事での過剰摂取の心配はほとんどありません。しかし摂りすぎると高カルシウム血症、骨や歯以外の軟組織の石灰化障害、腎機能障害などを引き起こすことがあります。
しかしながら、日本人の現状は不足している傾向のためサプリメント等で大量に摂取する以外は心配する必要な少ないでしょう。
ビタミンDはどのくらい
不足している?~ビタミンDの現状~
厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査結果」によると、1人1日あたりのビタミンD摂取平均量は男性6.6㎍、女性5.9㎍と、成人の摂取目安量9.0㎍に対して不足しており、意識して食事からも摂り入れることが大切です。
ビタミンには水溶性と脂溶性があり、ビタミンDは油に溶けやすく水に溶けにくい性質を持つ脂溶性ビタミンです。脂溶性ビタミンは熱に強い特徴がありますので、炒め物や揚げ物などの油を使う料理で摂るとよいでしょう。
食品も人と同様に、紫外線に当たるとビタミンDが増加する傾向があります。いわしの丸干しや乾燥きくらげなどがその例ですが、中でもハナビラタケやしいたけは、紫外線に当たるとビタミンDに変わる成分が豊富で、日光など紫外線を当てたハナビラタケや天日を当てて乾燥した干しシイタケは、生に比べて豊富なビタミンDを含んでいます。
※ 厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査結果」 1歳以上、男女計(総数4731人)
ハナビラタケの
ビタミンD含有量が
スゴイ!
乾燥ハナビラタケは、日光(紫外線)にあてることでビタミンDの含有量が大幅に増加することが近年判明しました。わずか3gで1日に必要なビタミンDの目安量(8.5μg)が摂取できるうえ、β-グルカンも豊富で、若々しく健康な身体に欠かせない栄養素が豊富で、内側からの健康と美を効率よくサポートします。
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監修・研究メンバー Member
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東京慈恵会医科大学 教授
越智 小枝 先生