妊娠期は、母体と胎児の健康を支えなければならない重要な時期です。しかし、つわりや食事の偏り、免疫機能の低下などにより、必要な栄養素を十分に摂取できないケースも多くあります。
株式会社森の環が、産婦人科医を対象に「妊娠期における栄養状態」に関する調査を行ったところ、多くの妊婦が必要な栄養素を十分に摂取できていない現状が明らかになりました。
また、妊婦が不足しがちな栄養素の中でも、特にビタミンDの不足については妊婦の自覚が低く、産婦人科医からはビタミンD不足が続くことで「産後うつのリスク増加」や「免疫機能低下によるインフルエンザ等の感染リスク増加」「子供の骨の成長への影響」を及ぼす可能性がある点が指摘されました。
調査概要
| 調査期間 | 2025年1月17日(金)~2025年1月20日(月) |
| 調査方法 | PRIZMA によるインターネット調査 |
| 調査人数 | 501人 |
| 調査対象 | 調査回答時に産婦人科医と回答したモニター |
| 調査元 | 株式会社森の環 |
| モニター提供元 | PRIZMAリサーチ |
※以下調査結果を抜粋して掲載(調査全文はこちら)
妊娠期は栄養不足になりがち

はじめに、栄養不足になりがちな妊婦は多いと感じますか?と質問したところ、9割以上の方が「とても多い(40.3%)」または「やや多い(55.3%)」と回答しました。
多くの産婦人科医が、妊婦の栄養不足を感じていることが明らかとなりました。
先述の質問に「とても多い」または「やや多い」と回答した方に「妊娠期に栄養不足になりがちな理由は何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、「食事の偏り(47.4%)」と回答した方が最も多く、「体重増加を気にして食事量を控える(43.6%)」「つわりによる食欲低下」(37.6%)」と続きました。
約半数が妊娠期のホルモンバランスの変化や体調不良による食事の偏りが栄養不足の理由として考えられているようです。また、体重管理の意識の高まりや、つわりによる食欲低下も大きな要因となっており、妊娠期の栄養管理の難しさが浮き彫りとなりました。
妊婦はビタミンD不足に自覚なし

さらに「妊娠期に不足しがちな栄養素は何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、「カルシウム(42.2%)」と回答した方が最も多く、「鉄分(41.3%)」「葉酸(38.0%)」「亜鉛(22.3%)」「ビタミンB(21.9%)」「ビタミンC(21.3%)」「ビタミンD(18.4%)」と続きました。
乳製品や小魚、豆類などのカルシウム源を意識的に摂取しなければならないカルシウムや、貧血予防に必要な鉄分、胎児の発育に不可欠な葉酸が上位に、さらにはビタミン全般の不足も挙げられました。
先述の質問に「ビタミンD」と回答した方に「妊婦は、自分のビタミンD不足についてどの程自覚していると思いますか?」と質問したところ、約8割の方が「全く自覚していない(18.2%)」または「あまり自覚していない(59.1%)」と回答しました。
ビタミンD不足を自覚していない妊婦が多いことがうかがえます。
ビタミンD不足で産後うつや感染リスク増加懸念

「ビタミンD不足が妊婦に及ぼす可能性のある影響として、懸念されるものは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、「産後うつのリスク増加(38.5%)」と回答した方が最も多く、「免疫機能の低下によるインフルエンザ等の感染リスクの増加(36.9%)」「生まれた後の子供の骨の成長への影響(34.2%)」と続きました。
ビタミンDは骨の健康維持だけでなく、免疫機能や精神面にも影響を及ぼす重要な栄養素であることが分かっています。今回の医師への調査でも、産後うつや感染リスクの増加が懸念される点からも、妊娠中から意識的に摂取する必要性が示されました。
まとめ
母体や胎児の健康を守るためにも、ビタミンDの重要性を正しく理解し、無理なく日常の食事に取り入れる工夫が求められます。手軽に摂取できる食材や、日々の食生活に取り入れやすい食品を上手に活用することからはじめてみてはいかがでしょうか。





