「ハナビラタケ」をみなさんご存じですか?自然界では高山地帯のカラマツ等の針葉樹の根本で自生しますが、なかなか目にすることが出来ない希少なきのこで、入手困難な自然界の幻のきのこといわれてきました。
本コラムでは、ハナビラタケの特徴を深堀するため、「ハナビラタケの分類」から特徴的な「見た目と食感、Healthy」、「ハナビラタケの生える場所、生育の秘密」をお伝えします!
ハナビラタケ(花弁茸)の分類
ハナビラタケは、分類でハラタケ綱、タマチョレイタケ目、ハナビラタケ科、ハナビラタケ属のきのこです。
和名は「ハナビラタケ(花弁茸)」と名をあてられ、英語圏ではハナビラタケ属に属するキノコ類一般に「Cauliflower fungus」(カリフラワータケ、ハナヤサイタケ)として表現され呼ばれています。

【界】菌,Fungi
【門】担子菌門,Basidiomycota
【綱】ハラタケ綱,Agaricomycetes
【目】タマチョレイタケ,Polyporales
【科】ハナビラタケ,Sparassidaceae
【属】ハナビラタケ属,Sparassis
【種】ハナビラタケ,S.Crispa
人類が誕生するはるか昔の約1億7000万年前から、シイタケやカワラタケなどといったさまざまな種からの分岐をくり返ながら、地球に存在してきました。
自然発生する量が少なめであることから、「幻のきのこ」と呼ばれるほど珍しいきのこであり、一般的なスーパーや小売店にはあまり流通していません。人工生産も難しいとされていましたが、技術の改良と発展によって、徐々に栽培されるようになってきました。しかし、まだ大量に生産することは困難であるため、高級食材として販売されていることもあります。
ハナビラタケの特徴は見た目と食感、Healthyにあり
ハナビラタケの特徴として挙げられるのは、その見た目と食感、そしてヘルシー食材であることです。
きのこと言えば、シイタケのように茶色くて傘のある形がイメージとして浮かびますが、ハナビラタケは茶色ではなく、白色や淡い黄色で、薄いヒダが集まってドーム状に広がっているような形をしているため、まるで白い花がふんわりと咲き誇っているかのように見えます。
大きなものでは1株で1キロ近くになるものもあり、バレーボールほどの大きさにまで成長することもあります。
味はほとんどしませんが、マツタケのような香りを感じることができ、その食感はシャキシャキ、コリコリとした歯ごたえの良いものです。形が崩れにくいため、炒め物やパスタ、フライ、煮物といったさまざまな料理で、その歯ごたえを楽しむことができます。
カロリーが少なく、β-グルカンを豊富に含み食物繊維が多いので、健康面に気をつけている方にもおすすめのヘルシー食材です。
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コラム名『希少きのこ「ハナビラタケ」の見た目と特徴~様々な料理に活用できる育菌食材~』
ハナビラタケが生える場所、生育にも秘密が!


ハナビラタケは、標高1000メートル以上の山岳地帯の、直射日光が当たらず、風がよく通り、湿度の高い場所を好んで発生します。
梅雨の後の夏から秋(7月から9月)にかけて、カラマツ林などの針葉樹の根元や切り株に生えていることが多いです。
その生育には、一般的なきのこの3倍以上もの長い期間が必要です。生育に長い期間がかかるということは、その間に他の菌に侵されてしまい、成長できなくなる危険性が増すことに繋がります。それにもかかわらず、大きく育つことができる理由は、その生育場所にあります。
約3億年前に誕生したと言われる針葉樹の表皮には、松ヤニなどのリグニンという毒性ポリフェノールが多く含まれており、これによって身を守っています。
一般的なきのこはその毒素を分解できないため、寄生することができません。しかし、ハナビラタケは長い年月の中で、たくさんの酸素を消費することによって、この毒素を分解する力を得たのです。
こうして、自分だけが生育できる、競争相手のいない環境で寄生し、じっくりと養分を吸い取って、ゆっくりと大きく育つことができるように進化したのです。
ハナビラタケメディアを運営している(株)森の環(もりのわ)では、この幻のきのこ「ハナビラタケ」『はなびら茸』の人工栽培に挑戦しました。流通量はまだ多くありませんが、食材としても注目され育菌につながるハナビラタケを多くのご家庭に届けられるよう生産体制を整えています。
みなさんの食卓にスーパーフード「ハナビラタケ」をお届けできるよう生産者として森の環も研究、生産を続けてまいります!

【菌床栽培のハナビラタケ写真-(株)森の環】






